2013年8月17日~8月30日
カラ・アザール流行地(マイメンシン)の小学校生徒を対象とした尿診断による集団検診
場所 |
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Mymensingh District内の複数村落 |
活動者 |
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伊藤誠(愛知医科大学)、小笠原絵美(東京大学医学部付属病院)、Md. Sohel Samad(愛知医科大学)東城文柄(東京大学医学部付属病院) |
概要 |
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カラ・アザール流行地においてより詳細な抗体陽性者の分布状況を把握し、尿を使った検査法による大規模なスクリーニングを行いました。 |
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調査を行った小学校の生徒との交流 |
カラ・アザールの抗体陽性者の発見に関して、採尿という非侵襲的な検査方法に依ることがこの調査の最大の特徴です。このため一般的な採血調査の場合に比べ、この調査法では大人数の検体を迅速かつ簡便に収集することが可能になっています。さらに大人数を動員した調査が容易に実施可能な「学校」に注目して、これまで過去2回小学校生徒を対象としたマス・スクリーニング(集団検診)を実施してきました。調査対象地域におけるカラ・アザールの流行状況を確実に把握するために、調査対象校を従来調査の6校から倍の12校へと増やして今回の調査は実施されました。
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タブレット端末を使った質問票(氏名・学年・父母兄弟・検体ID・病歴等)の生徒情報登録現場 |
調査対象校数が倍増したことで、これまで以上に生徒情報の登録の省力化・迅速化が必須となってきました。既存の調査で6校の生徒情報の登録を行っていますが、その際1500名以上の生徒情報登録に調査現場で膨大な労力と時間を費やした上、発生する大量の質問票用紙のPCへのデータ入力にも多くの時間を要しました。今回は調査対象人員を前回の倍に設定している上に、調査に関わる人員も極めて少数(4名の短期・長期専門家等に加えて、3名のローカルスタッフ)のみであることから、この調査作業負荷の解消が極めて大きな課題となりました。
そこで今回の調査からは、生徒情報登録現場のIT化を進めました。具体的には、現場での生徒情報登録全体を、従来の質問票用紙への記入からノートPC上の登録フォームやタブレット端末上の電子質問票に置き換えました。これにより登録のスピードと省力性、入力情報の正確さが飛躍的に向上しました。PCやタブレットに情報を直接入力することから、調査終了直後から収取した情報の利用と分析が可能になっています。特にタブレット端末上の電子質問票はユーザビリティに配慮して構築しており、バングラデシュの現地スタッフにも簡単な指導のみで使用可能になっています。
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GPSロガーを使った生徒位置情報の収集 |
GPSのログの分析から150名超の生徒の行動経路(終着点が生徒位置情報)を一斉に取得する(動画) |
他の試みとしては、GPSロガーを各生徒に配布・回収することによる、省力的で迅速なカラ・アザールの抗体陽性/陰性者(小学校生徒)の空間分布把握が挙げられます。今回の調査では、ある1校を選択し全校生徒(調査当日出席した計187名)に対して約160台のGPSロガーを、3日間に渡って配布と回収作業を行いました。これらのロガーから得られた位置情報に関しては現在解析中ですが、配布したGPSロガーの回収率は100%と極めて良好であった点は特筆すべき点でした。当初懸念したロガーがスムーズに回収できないケース(紛失、自宅への置き忘れ、盗難等)は皆無で、今回の試みによってGPSロガーの配布により大量の生徒位置情報が省力的・迅速に収集できることが確認できたと言えるでしょう。
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