2014年1月23日～2月1日
Kala-azar症例登録システム（UMIN/SKKRC Database）のSKKRCへの導入指導を実施しました

場所	：	Mymensingh District
活動者	：	東城文柄（東京大学医学部付属病院）
概要	：	2013年11月に本格運用を開始したSKKRC入院患者を対象としたKala-azar症例登録システム（UMIN/SKKRC Database）の活用を図るため、システムへのアクセス環境を整備し、システム上での情報登録・更新に関する技術的訓練をデータベース入力担当スタッフなどに行いました。

病院における各種患者情報記録の窓口として、タブレット端末を導入	病院における各種患者情報の記録は、台帳のほかにカルテや検査結果票など複数のソースに分断されて保存されている　これらは患者毎にファイリングはされているものの、目的の患者情報へのアクセスや検索・統合的分析は極めて困難である
UMINサーバー上の患者登録システム・エントリー画面

SKKRCはバングラデシュのカラ・アザール流行地の最前線に位置するため、開所以来多くのカラ・アザール患者が治療のために来院してきました。これら日々の患者に対する質の高い診断と治療の提供の重要性は言うに及びません。しかし今後月日が経ちますます症例が蓄積されていくにつれて、過去の症例をきちんと整理・蓄積し将来の研究や医療活動の役に立てることが、研究センターでもあるSKKRCにとっては重要になります。そのためにはSKKRCにおける患者情報の記録を電子化し、目的の患者情報へのアクセスや検索を容易に行えるようにしておく必要があります。

本プロジェクトではプロジェクトの研究活動の円滑な推進と、研究に用いる臨床データの質的向上を目的として、東大病院の患者登録データベースサーバー（UMINサーバー）上にSKKRC入院患者を対象としたKala-azar症例登録システム（UMIN/SKKRC Database）を構築し、2013年11月より本格運用を開始しています。まずはSKKRCの患者情報の記録をこの症例登録システムを使って行うことを試験的に実施し、ここでの経験を元にSKKRC自体の患者情報の記録システムの精度向上に貢献することを目指しています。

Kala-azar症例登録システムのWeb登録画面

Kala-azar症例登録システムを利用するには、PCとネットへの安定した接続環境が必須です。しかしバングラデシュを初めとした途上国は、特にSKKRCがあるような農村部ではそうしたインフラが不備であることが一般的です。この現状を踏まえて、非Windowsタブレット端末を使ったオフライン環境での登録項目の入力インターフェースの開発、そこからのWeb上でのデータ登録への橋渡しを行う管理システム環境の整備、端末の使い方に関する技術的指導の実施などの活動を通して、システムの利用状況は実用段階に進んできました。

患者登録情報が電子化される前は、例えば病院への月別来院者数や来院者の地域別集計などの患者に関する極めて基礎的な概観でさえ、把握するのに多大な手間と労力を要しました。それが電子化後は、下記の表のような集計情報が容易に得られるようになりました。今後はこのシステムを利用して、プロジェクトの日本側研究者と現地側カウンターパートとの間での研究活動の活性化や臨床データの質的向上のための取り組みが活発化することが期待されています。

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