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2014年5月13日~18日
カラ・アザール診断(rk39 dipstick test)のリフレッシュメント講習と殺虫剤含有長期残効型蚊帳配布に関する事前調査を実施しました

場所 Pabna District, Chatomohor Upazila, Chhaikhola Union
活動者 Dr. Shyamal Paul(Mymensingh Medical college)、長田康孝(東京大学・大学院農学生命科学研究科)、東城文柄(東京大学医学部付属病院)
概要 1) Pabna Districtの全Upazila Health ComplexのMedical Technologistを対象にカラ・アザール検査キットの適切な使用に関する講習会を実施、2) 殺虫剤含有長期残効型蚊帳配布に関する事前調査、の2点を実施しました。
カウンターパート機関(Mymensingh Medical college)の研究者によるリーシュマニア症に関する講習 短期派遣専門家の指導に注目するUpazila Health Complex(UHC)のMedical Technologistたち
カウンターパート機関(Mymensingh Medical college)の研究者によるリーシュマニア症に関する講習 短期派遣専門家の指導に注目するUpazila Health Complex(UHC)のMedical Technologistたち

殺虫剤含有長期残効型蚊帳を配布するに先立って、供与を受けた蚊帳数に対応した配布エリアを適切に絞り込む必要がありました。そのための基礎的な調査として、1)過去(2008-2012年)のUnion内の患者数(UHCへの来院者数ベース)の地理的分布の把握、2)Unionの基礎的な地理(Para等の詳細な行政境界区域の確定など)および人口統計情報の入手・作成、などについて2014年4月以降進めてきました。1のデータからは10か所程のParaが最終的な蚊帳の配布候補地として絞り込まれましたが、2のデータを用いて供与された数量の蚊帳がどの程度カバー可能かをGIS上で推定したところ、配布地域は上記Paraから更に半数前後に絞り込む必要があることが明らかになってきました。

改装前の病室(2F)の様子
専門家の調査によって、上記のようなPara*レベルの詳細な境界地図が作成された
* 一般にBangladeshの行政区分はDistrict>Upazila>Union>Village>Paraの階層構造になっている。日本でイメージする都道府県にあたるのがDistrictで、Paraがほぼ最小単位になる。UnionもVillageも伴に「村」と訳すことが出来、前者はより行政による区分(なのでしばしば「行政村」などとも訳される)で公的な地図に地名と境界線が載っているが、後者はより自然発生的なため公的な地図には地名さえ載っていないことがほとんどである。加えて両者の領域と境界線が一致しないこともしばしばある。Paraは後者のVillageを東西南北などに細分したもののため、Paraの境界はVillageに一致するが、Paraの境界とUnionの境界は一致しないことがある。Health Inspectorなどの医療従事者を含め地元の人間は、Unionよりも地域の人口の実態に沿ったVillageやParaを患者の住所把握などに用いているため、プロジェクトの実施において現場の医療従事者と意思疎通を円滑に取るためには、このきちんと「可視化されていない」地理情報の調査が必須だった。
基礎的な地理情報や患者情報の可視化は、日々現場で患者と向き合う実務家に好評だった(写真はリクエストを受けUnionの病院に提供した地図) Health Inspectorの協力の元、過去の発症歴と現在の罹患が疑われる村人の掘り起しが進められた
基礎的な地理情報や患者情報の可視化は、日々現場で患者と向き合う実務家に好評だった(写真はリクエストを受けUnionの病院に提供した地図) Health Inspectorの協力の元、過去の発症歴の確認が進められた

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